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2024年の大統領選挙でドナルド=トランプ大統領が勝利し、2025年1月20日に第47代アメリカ合衆国大統領として就任しました。これは、グロバー=クリーブランド以来となる非連続の2期目の大統領就任となります。就任式は、厳しい寒さと強風のため、ワシントンD.C.の連邦議会議事堂内のロタンダで行われました。副大統領にはJ.D.ヴァンス氏が就任しています。トランプ大統領は、就任直後から数多くの大統領令を発令し、連邦政府の構造改革や規制緩和を推進しています。特に注目されたのは、イーロン=マスク氏を長官に任命した「政府効率化省(Department of Government Efficiency, DOGE /ドージ)」の新設です。この省は、米連邦政府の支出削減と官僚制の改革を目的としています。
トランプ政権は国内の「ディープステート」と呼ばれる既得権益とそれらの勢力が進めるグローバリズム経済について抜本的な見直しを図っていると言われています。これが地球規模では経済のブロック化を促し、資本主義、民主主義の陣営とそれ以外の経済圏への分化が進むことが予想されます。
そして世界各国との交易について2025年4月、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、すべての輸入品に対して最低10%の関税を課す大統領令にトランプ大統領は署名しました。これは、貿易赤字の是正と国内産業の強化を目的としています。貿易赤字が大きい国々に対しては、10%を超える追加関税が課されています。例えば、中国からの輸入品には最大34%の関税が適用され、一部の品目では50%に達することもあります。これらの措置は、相互主義の原則に基づいているとされています。
我が国経済へもたらす影響として最大の懸念は自動車産業に関するものです。さらに社会保障分野においても影響が予測されています。我が国の医療用医薬品の保険給付額(薬価)は、薬価基準に基づいており、国際的にも比較的低水準にあります。トランプ政権のMFN(最恵国待遇)政策により、米国の薬価が日本の水準に引き下げられる可能性がある一方で、米国政府が諸外国の薬価政策を「不公正」と見なすとの観測があります。実際、トランプ政権は諸外国の薬価抑制策が米国の製薬業界に不利益をもたらしているとして、貿易交渉や関税措置を通じて是正を求める姿勢を示しています。これにより、我が国の薬価制度が米国からの圧力を受け、見直しを迫られる恐れがあります。特に中間年改定をはじめとする薬価抑制策を問題視され、貿易交渉の中で米国政府が薬価の引き上げを求めてくる事態も想定されます。
さて、我が国は人類が経験したことのない超高齢社会を迎えます。保健・医療・介護・福祉を地域ごとに統合する地域包括ケアシステムの構築が国策として推進されているところであります。
国立社会保障・人口問題研究所によると、2022 年度の社会保障給付費の総額は 142 兆 3,215 億円であり武漢発新型コロナウイルス感染症対策関係費の減少により、前年度と比べ6,683 億円、0.5%の減少となりました。対 GDP 比は25.12%であり、前年度に比べ 0.70%ポイント減少しています。人口一人当たりの社会保障給付費は 113 万 9,100 円であり、前年度に比べ 300円、0.03%の減少となりました。
この社会保障給付費を「医療」、「年⾦」、「福祉その他」に分類して部⾨別にみると、「医療」が 48 兆 7,511 億円(総額に占める割合は 35.4%)、「年⾦」が 55 兆 7,908 億円(同 40.5%)、「福祉その他」が 33 兆 2,918 億円(同 24.2%)となりました。 前年⽐で「医療」は 1 兆 3,306 億円増加(2.8%増)、「年⾦」は 244 億円減少(0.04%減)、「福祉その他」は 2 兆 2,251 億円減少(6.3%減)しています。「医療」は医療保険給付、新型コロナウイルス感染症対策関係費による増加が⼤きく、「福祉その他」は⼦育て世帯等臨時特別⽀援事業費補助⾦(⼦育て世帯分)、雇⽤調整助成⾦による減少が⼤きく影響しました。
また社会保障給付費の対GDP比は、2018年度の21.5%(名目額121.3兆円)から、2025年度に21.7~21.8%(同140.2~140.6兆円)となります。その後15年間で2.1~2.2%ポイント上昇し、2040年度には23.8~24.0%(同188.2~190.0兆円)となる見通しです。
名目経済成長率が3%を超える経済成長実現ケースでも、社会保障給付費の対GDP比は概ね同様の傾向で増加するのですが、2040年度で比較すると成長率が2%台半ばのベースラインケースに比べて、1%ポイント程度低い水準(対GDP比22.6~23.2%(名目額210.8~215.8兆円))に留まります(「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省)。
この成長著しい社会保障関連事業という市場に特化した事業ポートフォーリオをほくやく・竹山ホールディングスは有しています。医薬品卸売、医療機器卸売、薬局、介護、ICT(情報通信技術)の主要5分野の事業であります。
各事業の活動するそれぞれの市場の規模や成長率は異なります。活動する市場の成長に追いついていないグループ内企業や、企業自身の成長の早さに社内の経営資源が不足するような場合には、まずグループ内の資金で必要な投資を行い、個々の企業の成長を加速させます。更なる成長のための資金需要を賄うために資本市場からの調達も視野に入れて企業財務の透明性を一層高めてまいります。
当面の資金需要に関しては、中期経営計画の柱でもある「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に集中することが計画されています。DXに関してはその量と質を同時に拡大、向上させなければなりません。IT戦略本部には、ホールディングス全体のDXの推進と投資額の精緻な予算化の中心的な役割を担ってもらうことになります。
前掲のとおり2025年に地域包括ケアシステムを完成させることは国策であります。その地域包括ケアシステムにおいては医療・介護・保健・福祉が切れ目なく連携して地域の住民へ必要なサービスを提供することになっています。ほくやく・竹山ホールディングスはグループ内企業の垣根を取り去り、地域包括ケアシステムに同期するよう切れ目のないサービス・商品を提供してまいります。私たちほくやく・竹山ホールディングスは地域包括ヘルスケア企業グループ(Community-Based Integrated Healthcare Corporate Group)として企業価値向上へ向けて不断の努力を続けてまいります。
今後とも皆さまの変わらぬご支援を賜りますよう衷心からお願い申し上げます。
株式会社ほくやく・竹山ホールディングス
代表取締役社長 眞鍋 雅信
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